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京都府立農芸高等学校

農場HACCPの導入やゲノム解析など、新しいことに積極的に挑戦している京都府立農芸高等学校。

第6回和牛甲子園の取組評価部門では、研究内容が評価され、優良賞を受賞した。

今回は、日頃の飼養管理の取り組みと、第7回和牛甲子園に向けた「和牛甲子園近畿ブロック飼育技術向上研修会」の様子を追った。

徹底した飼養管理 教科書以上の学びを得る

 「365日の徹底した飼養管理」を実践する京都府立農芸高等学校。土日や長期休みも、生徒らが当番制で給餌などを行い、牛にとって心地良い環境を整えている。3年の担当教諭・白波瀬裕介先生は、飼養管理などを通して「健康で幸せに生活する上で欠かせない『食』について、しっかりと考えられる人になってほしい」と話す。

 同校は心身ともに“あしこしの強い”生徒を育て、農業分野で活躍できる人材を育てるため、実践的なカリキュラムを設けているのが特徴だ。鶏の解体実習を経験した生徒は「これまで卵を生んでくれていた鶏を解体したとき、命の大切さやありがたみを実感しました。教科書では得られないことを学べました」と話す。

 また、農場HACCPやゲノム解析、行動モニタリングシステムや「牛温恵」といったICTの活用にも力を入れており、その活躍に地元のJAなどからも期待が寄せられている。命と心に触れる学び、実践的で先進的な学びによって、生徒たちは“あしこしの強い”農業人として成長することができる。

  • 校名
    京都府立農芸高等学校
  • 所在地
    京都府南丹市園部町南大谷
  • 生徒数
    167名(2023年)
  • 創立
    昭和58(1983)年
  • 学科
    農業生産科、園芸技術科、環境創造科
  • 特徴
    京都府唯一の農業専門高校。1年生の1学期は農業学科群で学び、2学期中間考査以降は3学科8コースのいずれかに所属。基礎学力や表現力、道徳的実践力、社会人基礎力を向上させるとともに、各コースで専門知識・技能を習得する。6次産業化やスマート農業、グローバル化に対応するため、ICT機器を使った飼養管理や加工品の販売なども行う。
乳牛もヨロシク!

オレイン酸値向上!

酒粕で牛の胃を整え 血統の能力を引き出す

 同校では酒粕に牛の第一胃(ルーメン)内の環境を整える働きがあると言われている点に着目し、昨年度から、府産の酒粕と飼料用米を混ぜた餌を給与している。しかし、当初は酒粕の水分含有量の多さ、アルコール臭などを牛たちが嫌がり、見向きもされなかったという。そこで、生徒たちが試行錯誤し、さまざまな方法に挑戦。「酒粕を平たく伸ばして乾燥させた後、粉砕したらやっと食べてくれた」と振り返る。

 さらに今年度は、「酒粕を給与すると粗飼料の食い込みが良くなるので、昨年度よりも早いタイミングで酒粕を給与し始めました」(生徒の1人)。飼料用米の消化吸収率を上げるため、玄米を粉砕して給与する方法も試みている。

 白波瀬先生は「生徒全員が手間暇惜しまず、牛の血統の良さをしっかりと引き出す飼養管理ができた」と生徒たちの頑張りを高く評価。その結果、昨年度は平均オレイン酸値54.5%、最高57.9%と、オレイン酸数値が向上し、今年度も結果が楽しみだという。

飼育のこだわり

 牛が出荷の直前まで健康かつ穏やかに過ごせるよう、農場HACCP認証の取得を進めている。「農場HACCP認証の取得により、誰もが同じ作業ができるようになれば、牛に安心感を与えられる」と、生徒たちは狙いを話す。昨年度、採卵鶏区分で農場HACCP認証を取得。今年度は、肉用牛区分での認証取得を目指している。

採卵鶏区分で農場HACCP認証を取得
大切に集卵した卵は、校内外で販売
京都府立農芸高等学校
  • 加藤 佐和子(かとう さわこ)さん
    今年度のメンバーで力を合わせれば、最優秀賞がとれると信じています
  • 伴 藍花(ばん あいか)さん
    先輩たちが昨年度、取組評価部門で優良賞に。今年度は最優秀賞をぜひ!!

和牛甲子園近畿ブロック飼育技術向上研修会

長浜農業高校と合同研修会 7回大会に向け切磋琢磨

このお菓子、せり落とす人~!

 9月28日には、中丹家畜市場(京都府)で、滋賀県立長浜農業高等学校と「和牛甲子園近畿ブロック飼育技術向上研修会」に参加した。午前中の座学では関係者が「和牛甲子園」での評価基準と高得点を得るためのポイント、和牛の飼養管理技術、良い子牛を見抜く方法などを指導した。

 「模擬セリ体験」では、中丹家畜市場に設置されているセリ機を使って体験。子牛の代わりにお菓子がセリにかけられ、“買い手”となった生徒たちはセリの状況に一喜一憂しながら、次々とお菓子をせり落とした。

 交流を通じて互いの学校の飼養管理やカリキュラムの違いに驚いたり、感心したりしながら理解を深めた両校の生徒たち。参加した生徒は「和牛の話になると真剣になるので、お互い本当に牛が好きな高校生なんだなと感じられて嬉しかった。和牛甲子園で会えるのが楽しみ」と話した。「第7回 和牛甲子園」では両校の活躍が期待される。

研修のお楽しみ

 昼食では京都府産「京の肉」と滋賀県産「近江牛」の食味比較が行われ、会場に焼肉の芳しい香りが広がった。生徒たちは二つのブランド牛を食べ比べ、「どちらの肉も、すごくおいしい」と満面の笑顔で肉を頬張った。

「京の肉」(奥)と「近江牛」(手前)の食味比較
仲良く焼き肉を食べ比べながら
交流する両校の生徒
滋賀県立長浜農業高等学校
  • 松宮 心音(まつみや ここね)さん
    先輩から「和牛甲子園、楽しかったよ!」と聞いています。甲子園に向けて勉強など頑張ります!
  • 國友 紫月(くにとも しづき)さん
    運動によって牛の肉質がどう変わるのかを研究しています。本番では、いい成果を発表したいです
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