2021年Web PICS集計結果(集計対象期間:2021年1~12月)
年々伸び続ける母豚1頭あたりの年間離乳頭数:2021年Web PICS集計結果(集計対象期間:2021年1~12月)

2022.06

 JA全農では、クラウド型養豚生産管理システム「Web PICS」を提供しています。2021年12月末現在、全国で約370農場に導入いただいています。本年も「過去12カ月の成績」の提供に協力いただいた農場のデータ集計結果を報告いたします。

 2021年は、231農場からデータを提供いただき、そのうち入力状況(入力漏れや年途中からの利用開始農場を集計から除外)や品種(黒豚は全体集計から除外)等を確認し、繁殖部門で203農場、肥育部門で115農場を集計対象としました。常時母豚頭数で見ると9万8729頭分のデータであり、畜産統計(2021年2月1日現在)の子取り用雌豚頭数の12.0%となりました。
集計参加農場数を規模別に見ると、母豚頭数が500頭以上の層は、母豚1000頭以上の28農場を含め70農場(構成比34.5%)、200~500頭未満は74農場(同36.5%)、100~200頭未満は37農場(同18.2%)、100頭未満は22農場(同10.8%)となりました。

繁殖部門成績の集計結果

 繁殖部門の成績では、「母豚1頭あたりの年間離乳頭数(以下年間離乳頭数)」の平均は25.66頭(前年差+0.12頭)となり、年々増加しています(表1)。「分娩回数」は2.33回(前年差▲0.01回)、「正常産子数/腹」は12.12頭(前年差+0.04頭)、「離乳率」は90.0%(前年と同じ)となりました。

 「年間離乳頭数」の多い順に順位付けし、20年と21年の上位10農場の平均を比較すると「発情再帰日数」「分娩回数」「総産子数/腹」「正常産子数/腹」「離乳頭数/腹」「年間離乳頭数」で成績向上が見られました。一方で、「分娩率」「離乳率」で前年の成績を下回りました(表2)。

ハイコープ種豚飼養農場の繁殖部門成績

 集計参加農場のうち、ハイコープ種豚を飼養している102農場の「総産子数/腹」は14.25頭(前年差+0.03)、「正常産子数/腹」は12.27頭(前年差+0.08頭)、「年間離乳頭数」は25.97頭(前年差+0.14頭)となりました(図1)。

 また、ハイコープ種豚飼養農場の成績と全国平均を比較すると、「分娩回数」に差は見られませんでしたが、「総産子数/腹」(+0.21頭)、「正常産子数/腹」(+0.15頭)、「年間離乳頭数」(+0.31頭)において上回る成績でした(表1下段)。

一貫経営農場の肥育部門成績

 一貫経営農場における肥育部門の集計数は85農場となりました。平均枝肉重量はほぼ横ばいですが、「出荷頭数/10カ月前母豚数」は24.5頭(前年差▲0.1頭)と若干減少し、「枝肉重量/10カ月母豚数」は1834.3kg(前年差+2.1kg)と毎年増加傾向にあります(表3、図2)。

☆データをご提供いただいた農場様、データ提供にご協力いただいた関係各位に、誌面を借りて厚くお礼申し上げます。

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