マーケット情勢(全農畜産総合対策部・8月まとめ)

2022.08

豚肉

 6月の全国の肉豚出荷頭数は、1,339千頭(前年比99.4%)と前年並み。地域別出荷頭数を前年比で見ると、北海道105.2%、東北102.4%、関東98.3%、北陸甲信越99.1%、東海121.1%、近畿117.1%、中四国105.1%、九州・沖縄98.0%だった。

 全国と畜頭数の7月の速報値は、1,227千頭(前年比93.4%)と前年を下回る見込み。稼働日数は昨年と同様だが、1日あたりの平均と畜頭数は61,325頭(前年差-4,329頭/日)と下回ったためである。

 6月の輸入通関実績は、豚肉全体で89.4千t(前年比11 8.7%、前月比115.4%)と前年を上回り、チルドが35.3千t(同99.0%、同131.6%)、フローズンは54.1千t(同136.3%、同106.8%)となった。国別で見ると、チルドではカナダとメキシコが増加し、フローズンでは中国の輸入減少等からスペインやデンマークなどからの輸入量が増加した。

 総務省発表の6月期家計調査報告によると、全国2人以上の1世帯あたり豚肉購入数量は1,745g(前年比96.4%)、支出金額が2,511円(同100.2%)となり、購入量は前年を下回ったが、金額はやや上回った(※2019年度同月比:購入量98.7%、金額104.3%)。

 7月の東京市場枝肉卸売価格(速報値)は、666円/㎏(前年比105.0%)と前年を上回った。と畜頭数の低位推移や輸入豚肉からの代替需要を背景に高値推移していたものの、3連休明けから需要の減退により一転して低位で推移した。8月の相場は、輸入豚肉の現地価格高騰等を背景に需給が引き締まる可能性が高いが、酷暑やコロナ感染者の急増などから需要が伸び悩む可能性もあるため、もち合いから弱含みの展開を見込んでいる。

【令和4年9月の相場予想】※東京市場 上物・税込600円

牛肉

 6月の成牛と畜頭数は、87.1千頭(前年比103.8%)と前年を上回った。内訳を見ると、和牛39.5千頭(前年比102.5%)、交雑牛19.7千頭(同107.6%)は前年を上回ったが、乳牛去勢12.1千頭(同92.1%)は下回った。

 輸入通関実績は、全体で57.7千t(前年比110.4%、前月比126.1%)と前年を上回り、内訳ではチルド22.8千t(前年比95.8%、前月比111.3%)、フローズン34.9千t(前年比122.7%、前月比138.0%)となった。米国と豪州の現地価格の高騰は継続しているものの、フローズンとの合算では米国は前年を超えている。

 総務省発表の6月度家計調査報告によると、全国2人以上の1世帯あたり牛肉購入量は465g(前年比84.4%)、支出金額が1,643円(同93.1%)となり、購入量・支出金額ともに前年同月を下回った。(※2019年度同月比:購入量 88.6%、金額101.1%)

 7月の東京市場枝肉卸売価格(速報値)は、和牛去勢A5が2,596円(前年比97.8%)、A4が2,376円(同101.0%)、交雑牛B3が1,542円(同 97.8%)、乳牛去勢B2が1,073円(同104.6%)だった。早期の梅雨明けから需要の高まりが見込まれたが、コロナ感染者の増加(第7波)により外食需要が軟調となったことで、和牛・交雑牛ともに軟調に推移した。なお、乳牛去勢は、輸入牛肉の高騰による代替需要が続いており、前月に続き前年を上回った。

 8月の枝肉相場は、需要期であるお盆期間を迎えるものの、酷暑による消費減退に加え、コロナ感染症の第7波の影響から需要が盛り上がらず、底堅い乳牛去勢以外は軟調に推移する見込み。

【令和4年9月の相場予想】※東京市場 税込

◎和牛去勢A4:2,300円 ◎交雑去勢B3:1,500円 ◎乳牛去勢B2:1,050円

鶏卵

 6月の全国の餌付け羽数は8,039千羽(前年比83.8%)。東西別の前年比では、東日本は88.2%となり、特に北海道エリアで75.0%と大幅に減少した。一方で西日本も78.6%と下回り、特に東海エリアで55.2%と大幅に減少した。各エリアで生産意欲の低下がうかがえることから、今後の生産量の変動に注視が必要。

 6月の鶏卵1人あたりの家計消費量は862g(前年比97.7%・前々年比92.1%)となった。コロナ禍における巣ごもり需要からの回復や、梅雨時期の購買意欲低下により、需要が落ちついたと思われる。8月以降も本格的な気温の上昇、また原材料の高騰により消費者の節約志向が根強く続くと考えられ、需要の減退が見込まれる。

 7月の東京相場の月間平均は、Mサイズ205円(前年比-40円、前月比-8円)。供給面は夏場の気温上昇にともない大玉の発生減少、中玉・小玉中心の生産で推移した。また梅雨明け以降も季節性の需要減少にともない中玉以下で余剰が見られた。需要面は暑さによる不需要期に突入し、量販筋・外食筋ともに荷動きの鈍化が見られた。加工筋については定期中心の集荷となり、夏場のボイル卵の引き合いは落ちついた荷動きとなった。

 今後、供給面では連日の猛暑の影響から更なる個卵重の低下が見込まれるほか、熱性ストレスによるへい死等が及ぼす生産への影響について引き続き注視していく必要がある。相場展開についても、サイズ間調整が中心となることが予想され、お盆明け以降は9月を控えた需要回復に期待したい。

鶏肉

 生産・処理動向調査によると、6月の推計実績は処理羽数60,936千羽(前年比101.3%)・処理重量183.9千t(同100.8%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は0.8%、処理重量は0.7%上方修正となっている。気温上昇の影響で増体の鈍りや大腸菌症の発生が見られたものの、前月予測の結果から、育成はおおむね安定しているように見られる。

 財務省が7月28日に公表した貿易統計によると6月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から9.7千t増の52.2千tで、国別ではブラジルが6.5千t、タイが2.9千t増となっている。前年同月の実績に対しては9.3千t増となった。これは、新型コロナウイルスの影響によるタイの人手不足が回復傾向にあり、輸入量が戻りつつあることが挙げられる。

 6月の推計期末在庫は国産30.5千t(前年比89.4%・前月差-0.7千t)、輸入品119.1千t(同97.8%・同+3.4千t)で合計149.6千t(同96.0%・同+2.7千t)となった。

 7月の月平均相場は、もも肉637円/㎏(前月差+13円)・むね肉340円/㎏(同+14円)、正肉合計で977円/2㎏と前月を27円上回り、前年差では76円上回った。もも肉相場は月初627円、月末は643円となった。(昨年は月初617円、月末582円で35円の下げ)。昨年の相場より単価が上回り、上げ基調になっている。要因は、依然として安価な鶏肉に消費者の需要があることや、一部給食向け等の需要が考えられる。8月は、生鮮品の販売については一部落ち込みも予想されるが、凍結品での需要が高いことから、もも肉相場はもち合いの月平均640円前後の見通し。むね肉相場はやや上げの月平均350円と予測する。

【令和4年9月の相場予想】 ◎もも肉:640円 ◎むね肉:360円

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