全国で合計120名の方が参加
全農養鶏セミナー2022 オンラインにて配信

2022.10

 2022年9月12日~30日にかけて、「全農養鶏セミナー2022」をオンラインで配信しました。全国で合計120名もの方々にご参加いただき、誠にありがとうございます。配信したセミナーの概要をご紹介します。

1 飼料原料情勢及び配合飼料安定基金の情勢

全農 本所
穀物外為課課長
鮫嶋一郎
全農 本所
蛋白原料課
関根啓右
全農 本所
推進・商品開発課
江崎尚二
図1.とうもろこしのシカゴ相場の推移

とうもろこし

 とうもろこしのシカゴ相場は、20年後半から中国の国内需要増にともなう輸入量増加を背景に高騰しました。そこへ追い打ちをかけるように、22年2月にはロシアによるウクライナ侵攻を受けて、更にシカゴ相場が高騰する事態となりました(図1)。ウクライナは世界有数のとうもろこし輸出国であり、ウクライナからの輸出量の減少が世界的な需給混乱を招きました。その後6月からやや軟調傾向だったシカゴ相場は、生育状況悪化の懸念を受けて、直近では再び上昇傾向にあります。

大豆粕

 大豆粕の相場については、原料となる大豆の相場だけでなく大豆油の需給にも左右される局面が近年増えています。22年6月には、大豆のシカゴ相場が下落する一方で、大豆油の価格も下落したため、搾油量の減少にともなって大豆粕発生量が減少。大豆粕の相場は堅調に推移することとなりました。直近では高温乾燥の懸念による大豆相場の上昇を受けて、大豆粕相場も上昇傾向にあります。

配合飼料安定基金

 配合飼料安定基金について、これまでの財源確保の取り組みにより、22年4~6月期は一括での満額補てんを行いました。しかし、22年7~9月期においては財源不足が見込まれる状況です。全農基金では、生産者の資金繰り支援を最優先に考え、満額補てんを行うために借入を行う予定です。返済には次年度以降の積立金の一部を充てるため、基金制度の安定運営には基金加入生産者の皆さまの継続加入が重要となります。

2 鶏卵の需給動向と今後の見通しについて

JA全農たまご(株)
東日本営業本部
第1営業部鶏卵課課長
中田純司

需要面

 家計消費はコロナウイルスの感染拡大にともなう巣ごもり需要の増加により、20年以降堅調に推移してきました。ですが、直近では行動制限の解除にともない元の水準に戻りつつあります。外食産業における居酒屋業態やインバウンド需要は、依然として厳しい状況にありますが、今後の制約緩和にともなう需要増に期待がかかります。輸出需要は、香港向けの輸出が近年急速に伸びており、22年も前年比145%程度で推移しています。

供給面

 生産コスト増加を受けて、餌付羽数はやや低い水準で推移しています。一方で22年の鶏卵生産量は、高病原性鳥インフルエンザ発生による生産減の影響が大きかった21年生産量257万tを上回る260万t前後と予測しています。

 生産コストが上昇する中、販売価格への転嫁が今後の重要な課題となる一方で、消費拡大と需要に見合った生産量の維持によって、需給バランスを保っていくことも重要となります。

3 「ちくさんクラブ21」における優良事例紹介

全農 飼料畜産中央研究所
養鶏研究室
榮田拓起

 「ちくさんクラブ21」は1999年に初回号が発行されて以降、さまざまな現場での優良事例や研究所からの技術情報を発信してきました。22年4月からはWebでも閲覧できるようになり、より活用しやすい畜産情報誌になりました。

 本セミナーでは、これまで掲載してきた内容をいくつか紹介しました。「鶏における光線管理について」では、点灯時間のコントロールが産卵にとっていかに重要であるかを説明。「全農開発のブレンド酵素〝クミアイーゼ01〟の紹介」では、さまざまな組み合わせ試験を行い、国内で使用される鶏用配合飼料に最適なブレンド比率を追求している開発の背景を紹介しました。「採卵鶏における育すう期発育の重要性について」では、育すう期の体重を適切に管理することで産卵期間の収益性を高めることができる点について説明しました。

4 現場での衛生対策事例及び近年の疾病動向

全農 家畜衛生研究所
クリニックセンター
相馬茉莉絵
全農 家畜衛生研究所
クリニック東日本分室
小川哲郎

冬に増える鳥マイコプラズマ症

 農場現場での衛生対策事例として、冬に発症が多い鳥マイコプラズマ症(MG)の対応事例を紹介しました。MGは、寒冷ストレスや換気不足によるアンモニアやほこりの増加によって発症するといわれており、予防として適切な飼養管理、衛生対策が求められます。実際にMGの感染が疑われた農場に対して、40日齢でのMG生ワクチン追加及び抗体価の確認、アウト後の洗浄消毒の徹底、日齢が若い鶏群から作業を行うといった作業手順見直し等の対応を実践、その結果、MG発症による産卵率低下は見られなくなりました。

高病原性鳥インフルエンザ

 21年度シーズンにおける高病原性鳥インフルエンザの発生は、家きんで12道県25事例(殺処分羽数約189万羽)、野鳥で8道府県107事例にも達し、11月から翌年5月までと長期にわたって発生しました(図2)。

 身近なカラスからも多数検出されており、国内の広いエリアで多量のウイルスが蔓延していたと考えられます。現在も海外では発生が続いているため、今年度も野鳥がウイルスを持ち込むリスクは高く、野鳥や野生動物の舎内侵入を防ぐなどの対策を早めに行うことが重要です。

ニューカッスル病

 また、法定伝染病に指定されているニューカッスル病については衛生管理技術の向上、ワクチンの普及により、国内での発生件数は大幅に減少しました。しかし、依然として海外では毎年のように発生報告があり、国内にウイルスが持ち込まれるリスクは否定できません。常に鶏の免疫を維持しておく必要があり、日々の衛生管理と適切なワクチン接種を継続することが重要です。

図2.21年度シーズンの
高病原性鳥インフルエンザ発生時期

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