2022年Web PICS集計結果(集計対象期間:2022年1~12月)
分娩回転数低下で年間離乳頭数が微減

2023.07

 JA全農が提供する養豚生産管理システム「Web PICS」は、2022年12月末現在、全国で約360農場に導入いただいています。本年も「過去12カ月の成績」の提供に協力いただいた農場のデータ集計結果を報告いたします。

 2022年は、236農場からデータを提供いただきました。そのうち入力状況※1や品種※2等を確認し、繁殖部門195農場、肥育部門115農場を集計対象としました。常時母豚頭数で見ると9万9403頭分のデータであり、畜産統計(22年2月1日現在)の子取り用雌豚頭数78万9100頭の12.6%を占めました。

※1 未入力や年途中からの利用開始農場等を集計から除外
※2 黒豚は全体集計から除外

 集計参加農場数を規模別に見ると、母豚頭数が500頭以上の層は、母豚1000頭以上の29農場を含め73農場(構成比37.4%)、200~500頭未満は69農場(同35.4%)、100~200頭未満は32農場(同16.4%)、100頭未満は21農場(同10.8%)となりました。

繁殖部門 総産子数増加も正常産子数が減少

 繁殖部門の成績では、「母豚1頭あたりの年間離乳頭数(以下、年間離乳頭数)」の平均は25.27頭(前年差▲0.39頭)となり、減少しました(表1)。「分娩回数」は2.32回(前年差▲0.01回)、「正常産子数/腹」は12.00頭(前年差▲0.12頭)、「離乳率」は90.0%(前年と同じ)となりました。

 「年間離乳頭数」が多い順に順位付けしています。21年と22年の上位10農場を比較すると、「総産子数/腹」「離乳率」で成績向上が見られましたが、「発情再帰日数」「分娩回数」「分娩率」「正常産子数/腹」「年間離乳頭数/母豚」などの多くの項目で前年の成績を下回りました(表2)。総産子数は増えたものの、正常産子数が減少し、再帰日数が延びて分娩回転数が低下したことが影響したものと思われます。

ハイコープ種豚・繁殖部門成績 成績低下も全体平均を上回る

 集計参加農場のうち、ハイコープ種豚を飼養している109農場の「総産子数/腹」は14.08頭(前年差▲0.17)、「正常産子数/腹」は12.08頭(前年差▲0.19頭)、「年間離乳頭数」は25.36頭(前年差▲0.61頭)となり、全体平均と同様に成績が低下しています(図1)。

 しかし、ハイコープ種豚飼養農場の成績は昨年に続き全体の平均を上回っています。「分娩回数」に差は見られませんでしたが、その他の「総産子数/腹」(+0.17頭)、「正常産子数/腹」(+0.08頭)、「年間離乳頭数」(+0.09頭)は前年を上回りました(表1下段)。

一貫経営農場 肥育部門の成績向上

 一貫生産農場(Web PICSで繁殖・肥育両方利用)における肥育部門の集計数は78農場となりました。「平均枝肉重量」は74.9kg(前年差+0.3kg)、「出荷頭数/10カ月前母豚数」は24.7頭(前年差+0.2頭)、「枝肉重量/10カ月母豚数」は1857.0kg(前年差+22.7kg)と昨年に続き増加しました(表3、図2)。

お礼

データを提供いただいた農場様、データ提供に協力いただいた関係各位に紙面をお借りし、厚くお礼申し上げます。

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