研究紹介

研究紹介
~CoQ10(コエンザイムキューテン)による肉の軟化~ 笠間乳肉牛研究室
特徴牛肉生産の取り組み

1 牛肉のおいしさとは

 「おいしさ」と「うま味」、この2つの言葉はしばしば混同されがちですが、実は異なります。

 「うま味」は甘味・酸味・塩味・苦味とともに基本味と呼ばれる独立した味の1つです。一方で「おいしさ」とは、味そのもの(味覚)だけではなく、料理の見た目(視覚)、香り(嗅覚)、食感(触覚)、噛んだ時の音(聴覚)、食事の雰囲気や環境など、五感を総動員して感じるものです。

 食肉は一般的に「口の中でとろけるような」といった表現に代表されるように、やわらかくてジューシーな食感をもつものが好まれます。ここでは、おいしさの要素のうち、やわらかさを制御する研究についてご紹介いたします。

2 やわらかさを飼料で制御する

 全農飼料畜産中央研究所笠間乳肉牛研究室では、CoQ10給与が肥育牛の生産性や肉質に及ぼす影響について研究を行いました。

1 試験について

 約16カ月齢の黒毛和種雌肥育牛32頭を4つのグループ(CoQ10を0mg/日、250mg/日、500mg/日、1,000mg/日)に分け、補給効果を調べました。

2 試験結果

①生産性

 補給量に応じて出荷時体重が増加しました。また、250mg/日および500mg/日補給群で枝肉重量、歩留が良好な結果となりました(図2)。

②肉質

 補給量に応じてせん断力価が低下しました。

③経済性

 250mg/日および500mg/日補給群の収益性が高くなりました。

 以上の結果から、CoQ10補給は生産性、肉質、経済性を改善する効果があることが分かりました。

3 新製品「やわらか3Q」の販売について

 研究成果を踏まえ、(株)科学飼料研究所から新製品「やわらか3Q」を販売いたします。

 本製品の特徴としては、CoQ10を配合することにより、牛肉がやわらかく、食べやすいお肉になることが期待されます(図3)。また、本技術は特許を取得しました。(特許第7387183号 牛の肉質の軟化方法、2023)

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