「夏場対策のポイント」
まだ間に合う!鶏舎の夏場対策

2022.06

 初夏に差し掛かり、暑さを感じる季節になってきました。気象庁の予報によれば、今年の夏は例年以上の酷暑となる見込みです。今回は鶏の暑さに対する反応と、前号に続き、今からでもすぐにできる夏場対策をご紹介させていただきます。

養鶏研究室

暑さが鶏に及ぼす影響

 鶏は暑さに弱い動物です。ヒトやほかの動物は「汗腺」があり、汗が皮膚から気化する時に体から熱を逃がすことができますが、鶏は汗腺がないため汗をかくことができません。そのため、鶏の体内には熱がたまりやすく、熱ストレスによりさまざまな異常をきたします。

①飼料摂取量の低下

 食べた餌は消化され、エネルギー(熱)に変換されます。夏場は体内で発生する代謝熱を最小限に抑えるために、餌を食べる量が少なくなり、その結果体重や産卵率が落ち込んでしまいます。

②活性酸素の蓄積

 鶏に急激な熱ストレスがかかると、体内で活性酸素が蓄積します。活性酸素は細胞内のあらゆる反応を阻害して、生産成績を低下させます。

③卵殻質への影響

 鶏は汗腺がないため、代わりに呼吸を早めること(パンティング)で口から体内の熱を逃がします。呼吸が早まると、体内の重炭酸イオン(HCO3)が二酸化炭素(CO2)として過剰に排出されてしまいます。その結果、血中pHがアルカリ性となり(アルカローシス)、卵殻形成のためのカルシウム運搬等に悪影響が出てしまい、産卵率の低下、卵殻質の悪化につながります。

すぐできる夏場対策

 基本的な夏場対策は前号でご紹介した通りですが、今回は今すぐできる対策についてご紹介します。

①飲水温度の上昇を防ぐ

 夏の暑さで温度が高くなった飲水を冷却することで、それを飲んだ鶏の飼料摂取量や産卵成績が向上することが知られています(図1)。特にニップル型の給水器は、水温がすぐに鶏舎内温度と同じになるため、定期的に飲水の温度を確認して、給水ライン内の温まった水を入れ替えたり、飲水タンクへ氷を投入したりする方法があります。

②鶏舎周囲・屋根への石灰散布

 消石灰を水に溶かして高圧洗浄機などで鶏舎周辺や屋根に塗布し、白くすることで熱の吸収を抑えます。寒冷紗やヒサシなどがあれば設置し、壊れていれば修理しましょう。

③抗酸化製剤・重曹の活用

 活性酸素から体を守るポリフェノールやビタミンEなどの「抗酸化物質」を含む製剤、または血中のアルカローシスを緩和する重曹を活用しましょう。全農オリジナルの抗酸化製剤である「フェスタ」には、ポリフェノールやビタミンEがバランスよく含まれており、夏場の生産成績の低下を緩和します(図2)。お試しの際にはお近くのJA・くみあい飼料まで是非お問い合わせください。

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