海外レポート 香港 Hong Kong
香港における日本産鶏卵の広がりについて
2026.01
安全・安心が売りの日本産鶏卵は香港でシェアを伸ばしています。全農インターナショナル香港株式会社が、「マーケットイン」の考え方を大事に、香港のお客様の声を聞き、プロモーション活動を積極的に行っています。香港の鶏卵情勢と日本産鶏卵の流通について、全農インターナショナル香港株式会社の活動から深掘りします。


①香港における鶏卵の消費と流通



香港の食生活において鶏卵は欠かせない食材で、一人当たり鶏卵消費数でいえば、香港は世界でも有数の鶏卵消費地です。スーパーマーケットだけでなく、街の八百屋や菓子店に加え、輸入大国である香港ならではの冷凍肉店など、幅広い小売店で販売されています。
また、2025年4月時点で約1万7000軒の登録があるレストラン業界においても、叉燒蛋飯(香港式チャーシュー玉子ご飯)や蝦仁蛋炒飯(エビと炒り玉子のチャーハン)、蛋撻(エッグタルト)などの人気メニューをはじめとし、鶏卵を複数個使うメニューが数多く展開されています。
②香港での日本産鶏卵の位置づけ

香港で流通している鶏卵のほとんどは輸入品です。香港特別行政区政府統計処が発表した24年の実績(金額ベース)では、中国本土産が全体の75%を占め、その多くが陸路で運ばれています。次いで日本産が19%と2位につけています。
このデータは、10年前の14年と比較すると大きな変化を示しており、当時は中国本土産が47%を占めていたのに対し、日本産はわずか3%でした。この間に、中国本土産鶏卵と日本産鶏卵は、これまでシェア比率の高かった米国、タイ、マレーシアなど他の輸出国を抑え、大幅にシェアを拡大しました(図1・2)。
③日本産鶏卵のプロモーション

日本産鶏卵がこれほどまでに普及した背景には、毎年継続的に行われてきた日本産鶏卵のプロモーションと、各サプライヤーによる価格競争力向上や価値訴求面における企業努力があると考えられます(写真4)。


全農インターナショナル香港株式会社としても、過去に茶餐廳(チャーチャンテン)と呼ばれるローカル喫茶店とのコラボレーションで日本産鶏卵を使用したメニュー開発の取り組みや、スーパーマーケットでの日本産鶏卵を使用した調理デモンストレーションを実施し、消費者にアピールを行ってきました(写真5)。これらの活動を通じてより多くの方に日本産鶏卵のおいしさを知っていただくよう努めています。
④香港における鶏卵加工施設の稼働開始


全農インターナショナル香港株式会社は、日本産鶏卵のさらなる需要拡大と販売チャネル開拓を目的に、香港現地で鶏卵加工食品工場の立ち上げを決めました。その結果、22年にJA全農たまご株式会社との共同出資により、香港新界エリアに全農インターナショナル香港食品株式会社を設立し、23年3月より工場の稼働を開始しました。
従来の日本産鶏卵を用いた卵焼きは日本での製造後、冷凍された状態で香港に輸入されていました。一方、全農インターナショナル香港食品株式会社は、「日本で食べられるおいしい卵焼きを香港でも気軽に楽しんでほしい」という思いから、日本から輸入した鶏卵を工場内で割卵し、その場で焼き上げています(写真7)。その出来栄えは冷凍品に比べふっくらし、手焼きにより近い食感が特徴です。また、卵焼きの他、お客様のニーズに応え、だし巻き玉子や、黄身の半熟度合いにこだわった温泉卵なども製造しています。
全農インターナショナル香港株式会社は、幅広いお客様のニーズに応えるべく、日本産鶏卵について殻付きの状態だけでなく、加工品の供給拡大にも取り組んでいきます。
全農インターナショナル香港株式会社
全農インターナショナル香港株式会社は、日本の農畜産物を香港へ輸出するための販売推進拠点として、2018年に設立されました。21年にはマカオ支店を設立し、さらなる販路拡大に努めています。

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