和牛、岩国ファーム(山口県)が2年連続最優秀賞
和牛、岩国ファーム(山口県)が2年連続最優秀賞:第41回全農肉牛枝肉共励会

2022.04

 JA全農は2月4日、「全農肉牛枝肉共励会」を大阪市中央卸売市場南港市場で開催した。和牛の部で(有)岩国ファーム(山口県)が2年連続となる最優秀賞に輝き、交雑牛の部では(株)十勝緑陽牧場(北海道)が最優秀賞を受賞した。

 本共励会は農林水産祭参加表彰行事として伝統を受け継ぐ大会で、41回目となる今回は全国から和牛98頭、交雑牛35頭が出品された。

 開催にあたり、JA全農畜産総合対策部の佐藤勧次長は「素牛価格の高止まりや飼料価格の高騰、日米貿易協定や環太平洋連携協定(TPP)への中国の参加申請など、肥育経営は予断を許さない状況。このような厳しい事業環境の中、生産者の皆様の日々の努力と高い技術力に敬意を表します」と感謝を伝えた。

 セリ取引では、JA全農ミートフーズ西日本営業本部の西村卓也本部長が「生産者が丹精込めて育てた肉牛を消費者に届け、食卓に笑顔をもたらすことが私たちの使命。当共励会が活況を呈するようお願いしたい」と呼び掛けた。

和牛・最優秀賞は圧倒的な肉量感 各部バランス良く無駄のない枝肉

 和牛の部は雌14頭、去勢84頭の出品があった。肉質5等級が全体の83.7%を占め、4等級以上率は雌100%、去勢98.8%と高かった。脂肪交雑はBMS№12が37頭で、去勢はNo.10以上が約8割を占めた。枝肉重量は雌、去勢とも全国平均を40kg以上、上回った。品質概略は次の通り。

  • 枝肉重量(kg)
    雌475.1/去勢552.5
  • ロース芯面積(cm2
    雌73.7/去勢79.6
  • バラの厚さ(cm)
    雌8.3/去勢9.3

 最優秀賞の枝肉は重量、ロース芯面積が入賞牛中トップだったほか、「カタ、ロイン、モモとも厚み十分で、各部のバランスが特に優れ肉量感豊か」と高評価を獲得。肉質も脂肪交雑、肉色、光沢・脂質ともに良質で、審査段階から「存在感がある」と注目を集め、審査員の満場一致で決定した。

交雑牛・最優秀賞は北海道産  ロース芯大きく〝和牛並み〟

 交雑牛の部は雌15頭、去勢20頭が出品され、全体の歩留等級はAが22.9%、Bが68.6%だった。肉質等級は4以上が45.7%と前回を約14ポイント上回ったが、3等級以上の割合が前回より減少し、個体差が大きかった。品質概略は次の通り。

  • 枝肉重量(kg)
    雌516.5/去勢560.7
  • ロース芯面積(cm2
    雌63.2/去勢59.6
  • バラの厚さ(cm)
    雌7.7/去勢7.7

 最優秀賞の枝肉は格付けA5等級でBMSNo.9と〝和牛並み〟の肉質を記録。審査講評では「ロース芯を中心とした周囲筋のサシの形状が良く、光沢・しまりに優れていた」と高評価を得て、満場一致で決定した。

交雑牛・最優秀賞

北海道 (株)十勝緑陽牧場
奥秋和博社長

 全国区の共励会で、まさかまさかと驚いているのが率直な気持ちです。受賞牛は8カ月齢の素牛で導入し、雌としてはまずまずの重量に育ってくれました。普段から若くて体高がある牛を選んでいて、まだ“脂を背負ってない”牛を選ぶことで、自分の牧場に合った育て方ができるという考えです。肥育前半にしっかり腹づくりをして、22カ月、23カ月齢と早めの出荷につなげています。

和牛・最優秀賞

山口県 (有)岩国ファーム
村田頼泰社長

 2年連続で受賞できるとは思ってもいませんでした。従業員が牛をよく見てくれたおかげです。受賞牛は月齢9カ月で導入し、前躯から後躯にかけての体型を見て選びました。種雄牛は最近気に入っている「福之姫」です。肩からモモまで厚みのある枝肉に肥育することができました。肉牛600頭弱を飼養し、このうち和牛が約500頭です。今後も牛にストレスをかけない飼養管理に努め、良い牛を育てていきたいです。

第41回全農肉牛枝肉共励会 入賞牛一覧

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