第43回全農肉牛枝肉共励会
和牛 ハニューファーム(兵庫県)が最優秀賞

2024.04

 JA全農は2月2日、大阪市中央卸売市場南港市場で第43回全農肉牛枝肉共励会を開催した。13道県から和牛95頭、交雑牛27頭が出品され、和牛の部で兵庫県のハニューファーム(株)が出品した去勢牛が最優秀賞に輝いた。交雑牛は徳島県の(株)ファームありがとうの去勢牛が最優秀賞を獲得した。

今共励会で最高値を出したハニューファームの枝肉

和牛の部・最優秀賞 歩留良い枝肉そろう 肉の光沢、脂肪の質抜群

 和牛は去勢83頭、雌12頭が出品され、すべてA等級だった。去勢は歩留基準値75以上が70.5%を占め、平均が77.3と全国平均(75.4)を1.9ポイント上回った。ロース芯面積は100cm2超が全体の17.9%に上り、「特筆すべき結果」と評価された。

 審査委員長の日本食肉格付協会の小林淳二専務は、「近年は購買者が歩留基準値を重視している」とした上で、生産者やJA関係者に対し「歩留基準値は去勢で70台後半を目標に」と呼びかけた。

 最優秀賞の枝肉の血統は父「耕富士」、母の父「美国桜」、母の祖父「勝忠平」。ロース芯面積112cm2、バラの厚さ9.7cmと充実し、歩留基準値は80.5と極めて高かった。審査では「体形が厚く、前・中・後躯のバランスが良く、脂肪交雑は申し分なく、特に肉の光沢、脂肪の質が抜群」と満票での選出となった。

交雑牛の部・最優秀賞 全般で脂肪交雑に優れる 和牛に匹敵する肉質

 交雑種は去勢14頭、雌13頭が出品された。全体として、去勢、雌ともに枝肉重量とロース芯面積が全国平均を上回る好成績で、脂肪交雑の度合いを示すBMSNo.は去勢が平均5.7、雌が6.8と、それぞれ全国平均を1.7ポイント、2.7ポイント上回る高水準だった。

 最優秀賞の枝肉の血統は、父が「福之姫」。ロース芯面積60cm2、バラ厚8.8cmと充実しており、肉質はBMSNo.11、BCSNo.3と、和牛に匹敵する細かな脂肪交雑で、「十分すぎるほどまんべんなく交雑し、特に肉の光沢、脂肪の質に優れていた」(日格協・小林専務理事)と高い評価を得た。

和牛の部・最優秀賞 兵庫県  ハニューファーム(株)小谷清隆取締役

 牛の食欲や寝姿などを毎日何度も見回り観察して健康体を維持することを心がけています。受賞牛は宮崎から導入した増体系の牛で、出荷時ははちきれんばかりの体形でした。枝肉はロース芯が大きく肉の照りも良く、思い描いた以上に良く仕上がりました。肥育頭数は300頭で、素牛は宮崎、鹿児島と地元の但馬牛を導入しています。神戸牛としての出荷は全体の1割程度で、ふだんは地元市場に出荷していますが、また大阪に出荷したいと思います。

交雑種の部・最優秀賞 徳島県 (株)ファームありがとう村部烈雄代表

 出荷前の体形を見て歩留まりが良さそうだと感じていましたが、まさか最優秀賞をいただけると思っていなかったのでとても驚いています。父の代からですが、10年ほど前から餌に飼料用米を使い始めました。なんとかノウハウができてきて、枝肉成績に反映できるようになってきたと感じています。近年は輸入飼料の高騰が続いているので、飼養コストを低減するためできるかぎり自給飼料や地元産の餌を活用して良い牛を育てていきたいです。

第43回 全農肉牛枝肉共励会 入賞牛一覧表

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